東京五輪正式種目、ボルダリングの競技ルール

スポーツクライミングが、2020東京オリンピックの正式種目となりました!
一般の人たちの目にとまる機会が増えて、クライミング関係者としては嬉しい限りです。
競技として見る際には、そのルールや順位の付け方を知っておくとより楽しめます。
オリンピックではリードクライミング、スピードクライミング、ボルダリングの3種目の総合で争われますが、最も普及している「ボルダリング」競技についてルールをご紹介します。

ボルダリング競技方法

ボルダリング競技は、登る壁の高さは5m以下で、ロープなどは付けずに自身の体のみで登ります。
落下時の安全のために下にはマットが設置されています。
競技の方法は複数存在しますが、ここでは一般的な国際大会での競技方法をご紹介します。

競技は3ラウンド(予選、準決勝、決勝)あります。
予選は5本のルート(コース)、準決勝、決勝は4本のルートが設定されています。
選手は全てのルートをトライし、その成績を競います。
競技中は、各ルート制限時間が設けられており、時間内であれば何回でも同じコースにトライできます。
制限時間は一般的には予選各ルート5分、準決勝と決勝は各ルート4分ずつです。
予選と準決勝は、事前にオブザベーション(ルートを観察し動きを考える行為)はできず、競技時間内にオブザベーションも行わなければいけません。
決勝は競技前に、進出者全員で各ルート2分間のオブザベーションを行うことができます。
競技前に違う国の選手同士が一緒になって登り方を話し合っている場面は、他のスポーツでは見られない光景で、個人的には大好きな場面です。
もちろん競技中は、全てのラウンドで他の選手のトライを見ることはできないようになっています。

予選と準決勝は、各ルートに1選手ずつ同時にトライします。
グループが入れ替わりながら、各選手が全てのルートをトライし終えるまで行います。
決勝は1つのルートを1選手ずつトライしていき、全員がトライし終えると次のルートに移動し、また1選手ずつトライする、というのを繰り返します。

ボルダリングの順位の決定方法

ボルダリング競技の順位は、完登したルートの数で決まり、より多くのルートを完登した選手が上位となります。
完登したルート数が同じ場合は、獲得した「ゾーン」の数が多い方が上位になります。
ゾーンとは、ルート途中に設定してある”ボーナスポイント”のようなもので、ゾーンに指定されたホールドが保持できた時点でゾーン獲得となります。
獲得ゾーン数でも並んだ場合は、完登とゾーン獲得までに要したトライ回数(アテンプトと言われることもある)が少ない方が上位となります。
さらにトライ回数も同じ場合は前のラウンド(通常は準決勝)の成績が良い方が上位になります。
よって順位を決定する優先順位は以下の通りです。

「完投数」>「獲得ゾーン数」>「トライ回数」>「前のラウンド成績」

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